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見直されるT-VIS


AE86はこれだけ長きに渡ってしかも大変に幅広い層に愛されてきた点では多分世界一じゃないかと思います。
そんなハチロクも、時代とともにチューニングやカスタマイズの方向性は変わってきています。
最近では、古参オーナーの年齢が結構なところまで上がっているせいか、高回転高出力志向からひたすらトルクアップ志向へとのベクトルが見受けられます。
そもそも4A-Gはノーマルでも回転フィールはいいですし、ハチロクは現代から見れば車体が軽いです。色々と現代車に乗る機会があればエンジンはわりと軽く回っているようでも加速がついてこないクルマにいくらでも接するので、自車のハチロクに乗りなおしてみるとノーマルエンジンでも回転のフィーリングと実際の加速がそこそこ良い感じでシンクロしていることを実感し、回転はそりゃあもっとパンチが出れば嬉しいがそれよりもっとグイグイ加速してほしいなぁと思うかたが多いようです。




そういったオーナーは、大金をかけた4連スロットルをノーマルインマニに戻すことがあります。
これは工学的には正解です。普通の4連スロットルの吸気管長では基本的には図太いトルクは得られません。
4連スロットルでも曲がっていていいから長い吸気管と組み合わせるとかサージタンクでひとつにまとめるなどすれば十分なトルクを得ることができますが、こういったワンオフのセットアップはオーナー自身が迷走することがよくあります。昨日はいいと思っていたが今日は物足りないとか。本当に信頼しているエンジニアに担当させていれば迷いは出ないのですが、なかなかそうは行かないようです。
それなら純正のインマニに戻すというのはひとつの手です。というのは4連スロットルから純正にという発想がある時点で大抵の場合、吸気系のセットアップに不満や迷いが出ているからです。ならばここで「純正」という選択は心理的に有効です。


そして、プロフィールの「はじめに」に書いているようにMJでは純正を尊重しています。チューニングやカスタマイズはすべてが純正からスタートします。
免許取得から10年も20年もクルマに乗ってきたひとなら、いま純正に戻ってその良さを知ることは意義があるでしょう。皆さん若い頃はノーマルなんてダサダサだという一方にしか思考が向いていなかったと思います。
実際のところ古いクルマには古い技術に過ぎない部分や、その製造コスト内でできたことが現代と比較して稚拙な部分があります。それが明らかである部分は純正に戻してみる必要はありません。エキマニとか。(笑)
だけど、T-VISというのは物凄くプリミティヴな技術ですが現代でも通用するトルクの太さを生みます。実際には現代の技術でもっと良いものが作れるのですが、そんなことせんでもT-VISでもいいやん、という独特のマッチングは存在します。
言い換えれば、現在の年齢や車歴をもってT-VISを味わい直し、それでも不満なひとだけがスペシャルな吸気管に進むのがひとつの良策ではないでしょうか。


さて、そんな純正のインマニですが、やはり年代が古いだけに大変に残念な部分があります。


一部のエンジニアは昔から定番でやっている当たり前の手法ですが、今日は純正インマニをより設計者の意図に沿うように修正する方法をご紹介します。


純正インマニはサージタンク部分でカットするとこのようになっています。


DSCF0071.png




当時の鋳造コストではこのあたりの仕上がりが限界だったのが見てとれます。


DSCF0073.png

DSCF0072.png




しかしこのインマニ、ブランチ長を計測すると恐ろしいほど等長なんです。まぁ長さに関しては鋳造はきちんと出ますから。つまり、これより古い旧車のように設計自体がちょっとまずいという事ではないのです。
ただ、それにしてもこの吸気口の入口部分の仕上がりはあまりに残念なのは否めません。


DSCF0087.png

DSCF0075.png



設計者がどの程度この鋳造の仕上がり具合によるロスを計算して設計していたかは分かりませんが(実はあとで分かりますが)、どうにも残念無念な感じです。


ということで、ここを整形するのが市井のエンジニアの役割です。


何でもかんでも純正をけなすのではなく、我々市井のアフタービルダーの数倍は専門分野を勉強してきている有能な設計者が大量に集って作ったものだ、という見方をすることが重要です。


具体的には、リュータでガシガシ削って整形します。


DSCF0094.png

DSCF0093.png


写真はヤラセです。リュータ回っていません。
こんなヘビーな研削作業を片手でやると危なすぎますから・・・・


で、仕上がりは


写真を撮り損ねました。


やってるひとは分かりますが、そこそこ危険でかつ整形に大変な集中力を要するこの作業を8個分終えると、写真撮る余力は残らないです。(笑)


まぁこの手法自体は特別でもなんでもないので・・・
タンク内全域のバリ取りと、分岐はナイフエッジ状にするのと、わずかに拡大するだけです。


ちなみにMJでは、チューニング雑誌に定番で載っているようなチューニングショップさん作の写真のナイフエッジは必要ないと思っています。「近ナイフエッジ状」で十分です。
超短サイクルで使い捨てるしそもそも鋳造からして最高級品質のF1等高位のレースエンジンとは違って、一般鋳造品の密度は決して保証できませんから、極度に薄い部分を作るのは賛成しません。


で作業のほうは削り終わったインマニを徹底洗浄し、カットした部分を元通り溶接してフタをして完成です。


と書くと簡単なようですがフタ部分の溶接時に内部に垂れこみが発生すると台無しです。
MJではここは超一流の熟練工に外注しています。結構な料金を取るのにめちゃくちゃ嫌がられます。
さらに、多少の「湧き」は我慢しろ、最低限に溶接してるから気密はそっちで何とかしろと言われます。
開先をこっちで死ぬほど丁寧に作っていってやっとこれらの条件付きで引き受けてもらえます。


なのでMJで作ったこのAE86純正改のインマニはサージタンク外側の一部にエポキシパテが盛られます。
たまにこの手法で完璧に溶接部を埋めてバフ掛けしたものを見ますが、中に垂れてないんだろうか・・・と不思議です。最初にワイヤーカットしたときに粉末になった分が絶対に隙間になってますから。
だけどMJで過去に作った十数個のうち1個だけ、職人さんがたまたま異様にモチベーション高かったのか、一切の垂れなく「これの気密は心配いらん」と断言されて渡されたことがあります。ただ、あとで来た請求金額が、2倍。(苦笑)


さて、こうして出来上がった純正改のインマニの性能はというと


やっぱりいいんですよこれが。
全開加速でも踏み直しのレスポンスでも、変わった!と実感できます。
エンジンがノンオーバーホールだと大して変わらないと思いますが、ハイコンプ以上なら体感できます。


やっぱりこれが設計者の意図した性能なんでしょうね。
しかし鋳物の設計では近ナイフエッジは無理ですから、超えている可能性も大です。




MJではこの改造は、時間工賃+外注代で5万円程度です。(外注代がその時の言い値なので多少変動)
ポートブランチ8本も研磨すると+1万6千円ですが、ここはマニア領域ですね。明らかに変わるのはタンク内部の整形です。完璧主義なひとはブランチまでやったほうが気分がいいでしょう。
もしご自身が工業系でこれを実行できるなら、ノーマルインマニを拾ってきて是非やってみてください。違いが体感できますし、何より1980年頃にこれを設計したエンジニアの理想を実現でき、さらに超えたかもというのはこういう方向がお好きなかたには本当に楽しいでしょう。



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